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最外殻電子と価電子

  1. 例題2
次の(a),(b)の原子の価電子の数はいくつか。

(a) F(原子番号:9) (b) Ar(原子番号:18)

  1. (a)7個 (b)0個

価電子

価電子数最外殻電子数とほぼ同じです。1つだけ違うのは、「最外殻に空きがない時と最外殻電子数が8個の時には価電子数を0とする」という特別ルールがあることぐらいです。

最外殻電子とは、電子配置を描いたときに一番外側の電子殻にある電子です。(電子配置がわからない人はこちら)

Point!

価電子数と最外殻電子数は基本的に同じ数!
ただし、、、
◆最外殻に空きがないとき
◆最外殻電子数が8個のとき
には、価電子数を0とする

例えば、最外殻電子数が6個ならば価電子数も6個ですが、最外殻電子数が8個のときには、特別ルールで価電子数は0と答えなければなりません。



解説:

(a) F(フッ素)原子は原子番号が9なので、電子の数は9個です(電子の数=原子番号)。まずは電子配置を考えましょう。

K殻は最大電子数が2個なので、フッ素原子が持つ9個の電子のうち、2個がK殻に配置されます。残りの電子は7個ですが、L殻の最大電子数は8個なので、残りはすべてL殻に収まりそうです。

この配置を図で表すと下の図のようになります。電子配置を見ると最外殻電子は7個です。7個の時には、価電子数を0にする必要がないので、価電子数は最外殻電子数と同じ7個となります。

F原子の電子配置



(b) Ar(アルゴン)原子は原子番号が18なので、電子の数は18個です(電子の数=原子番号)。まずは電子配置を考えましょう。

K殻は最大電子数が2個なので、アルゴン原子が持つ18個の電子のうち、2個がK殻に配置されます。残りの電子は16個ですが、L殻の最大電子数は8個なので、L殻に最大まで入れても8個余ります。この余りをすべてM殻に入れれば電子配置の完成です。

図で表すとこうなります。電子配置を見ると最外殻電子は8個です。この時、Point!にあった特別ルールにより価電子数は0となります。

F原子の電子配置


◆少し先の単元でやりますが、
「He(ヘリウム), Ne(ネオン), Ar(アルゴン),
  Kr(クリプトン), Xe(キセノン), Rn(ラドン)」
の6つは貴ガス(希ガス)と呼ばれており、どれも価電子数が0です。

覚えおけば、電子配置を書かなくても、「Arだから価電子は0」とすぐにわかります。どうせ覚えることになるので、いま覚えてしまってもいいかもしれません。

希ガスの語呂合わせ

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