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イオンの電子配置

  1. 例題1
フッ素FがイオンF-になった時、これと同じ電子配置の原子を答えよ。
  1. Ne(ネオン)

イオンの電子配置

「イオンの電子配置」と言われたら、原子番号が1番近い貴ガス(希ガス)と同じと覚えておいてください。(詳しい理由は下の補足へ。)

Point!

イオンの電子配置 は、
原子番号が1番近い 貴ガス(希ガス)と同じ

貴ガス(希ガス)とは、次の6つでしたね。
He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、
Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、
Xe(キセノン)、Rn(ラドン)
希ガスの語呂合わせ


解説:

上のPoint!でやったように、イオンになった時の電子配置は、原子番号が1番近い貴ガス(希ガス)と同じになります。

この問題に出てきたフッ素Fの原子番号は9番なので、原子番号が一番近い貴ガス(希ガス)は10番のネオンNeです。したがって、フッ素FがイオンになったF-Neと同じ電子配置です。 一番近い希ガス


【補足】イオンのでき方

では、なぜ「イオンになった時の電子配置は、原子番号が1番近い貴ガス(希ガス)と同じ」になるのでしょうか。

それは、イオンになる前の元の状態の電子配置をみればわかります。例題のフッ素Fの電子配置は下の図のようになります。(電子配置についての詳しい説明はこちら
Fの電子配置

右上にあと1つ電子をもってくれば、ちょうど、キリの良いきれいな電子配置になりますね。そこで電子をあと1つ外部からもらってきて、きれいな電子配置になろうとします。

電子を1つもらうと電子数は10個になるので、原子番号10番のNeと同じ電子配置となるわけです。
(※電子の数=原子番号なので、もとから電子を10個持っている原子は原子番号10番のNeです。) FイオンとNeの電子配置

キリの良いきれいな電子配置」というのは、具体的には、最外殻に最大数の電子が入った状態、または、最外殻電子が8個の状態のことです。

そして、この条件を満たすのが貴ガス(希ガス)なのです。 Ne以外の貴ガス(希ガス)も下の図のように、キリの良いきれいな電子配置をしています。 そのため、どの原子もイオンになる時には、自分に1番近い貴ガス(希ガス)と同じ電子配置になれるように、電子の数を調整するのです。

貴ガス(希ガス)がみんなの憧れで、みんながそれぞれ、自分に一番近い貴ガス(希ガス)を目指すというイメージです。 希ガスの電子配置

フッ素Fの場合はイオンになる時に外部から電子をもらってきましたが、その逆で、外部に電子を渡してイオンになるものもあります。 それは、ナトリウムNaのように、貴ガス(希ガス)よりも電子が少し多い場合です。

Naは原子番号が11番なので、電子を11個もっています。電子配置は、下の図のように、最外殻に1つだけ電子があり、キリが良いとは言えません。 Fの電子配置

原子番号11番のNaに1番近い貴ガス(希ガス)は原子番号10番のNeです。 一番近い希ガス

原子番号=電子数ですので、Na(原子番号11)がNe(原子番号10)と同じ電子配置になるためには、電子を1つ外部に置いてくる必要があります。こうすることで、Neと同じ、きれいな配置になります。 NaイオンとNeの電子配置

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