混合物と純物質のイメージ
例題の解説の前に、混合物と純物質のイメージを確認します。
次のように覚えておいてください。
Point!
混合物
2種類以上の物質を、混ぜただけのもの。
純物質
1種類の物質だけでできているもの。
または、2種類以上の物質が化学反応で合体して1つの物質になっているもの。
あくまでイメージです。すべての混合物が手で混ぜて作られるわけではありませんが、そんなイメージを持っておいてください。
解説:
(a)鉄は
純物質で特に問題ないですよね。鉄の記号はFeですし、これはどう見ても1種類の物質だけでできています。
(b)食塩水は
混合物です。食塩水は水(H
2O)に食塩(NaCl)を入れて、かき混ぜることで作ります。このように、
水に食塩が混ざった状態を食塩水というのであって、混ぜたことによって新しい「食塩水」という化学物質が誕生したわけではありません。その証拠に食塩水にはH
2OやCO
2などといった化学記号は存在しませんよね。食塩水を記号で書くとしたら、「H
2O & NaCl」でしかないのです。つまり、これはH
2OとNaClの混合物です。
(c)二酸化炭素は
純物質です。記号で書くとCO
2なので混合物のように思うかもしれません。しかし、
炭素Cと酸素O2を手で混ぜて作られたのではなくて、化学反応によって結合して二酸化炭素CO2という1つの新たな物質になっているということが(b)との違いです。炭素と酸素を持ってきてかき混ぜたところで二酸化炭素にならないことは、なんとなくわかると思います。
化学反応によって結合して新しい1つの物質になっているのであれば、元は2種類以上だったとしてもそれは純物質と見なすのです。
(d)空気は
混合物です。空気は窒素(N
2)や酸素(O
2)などの物質が混ざってできています。
酸素や窒素は同じ空間にありますが、あくまで混ざっているだけで、化学的に結合しているわけではありません。ただ単に、窒素や酸素が混ざったという状態のものを「空気」と呼んでいるだけにすぎないのです。したがって、空気は混合物です。